金銭に換えられぬ男の生き方
平凡な安定より人生の充実感を
現在の仕事を始める、独立のきっかけは8年前の51才のときでした。
それまでの25年間、2部上場の情報処理会社で勤め、バブルの時は人事で採用を、その後は営業の次長職として、年収は1200万円ほど頂いておりました。わがままで自由奔放なサラリーマン生活でしたが、いつも仕事で「役に立っている」という自意識はありました。
しかし、バブルが崩壊して過去に一度所属していた営業部に戻ってみると、全く自分の力が発揮できなくなっていたのです。働きなくして「高給」をもらうことは私の信条ではできないことです。それはすなわち自分の存在感がなくなったということですから。
自分自身の心の中で、追い詰められた状態でした。その中でまず一人でできること、そしてマーケットの広さという点から現在の仕事を選びました。
最初の5、6年は肉体的にも、精神的にもきつく、更にお客様の開拓も大変でした。しかしそれだけにやり甲斐はあり、努力の結果、今、充実した人生を送っております。
私は退社時の挨拶状に「体力・気力のあるうちに第二の人生をスタートします』と締めくくったのですが、今まさに120%の存在感を感じています。自営となり、お客様に叱られ、そして育てられて今日までやってまいりました。本当に有り難いことで、感謝、感謝の毎日です。
ふりかえりますに、明治大学で私はフェンシング部のマネージャー兼補欠選手でした。しかし卒業直前の全日本大学選手権に出場し、団体優勝して学生チャンピオンになったんです。人間全力を尽くせば結果が出るものだと、当時に得た不屈の精神が今に繋がっているのだと思います。
スポーツでも仕事でも全て人生は『自分との闘い』であることを痛感しています。
奥寺 通裕 |